Xiaomiというメーカーの面白さや未来について
実際、創業当初はインターネットの販売網で、反則や物流にお金をかけないという、アマゾン的な手法をとっていました。
Lei Jun自身もXiaomiをネットワーク会社だと位置づけています。
創業当初の製品はiPhoneの模造品と揶揄されたこともあり、Lei Junは、中国のスティーブ・ジョブズなどと呼ばれたこともありましたが
Just for Fans
という理念の下、多くのファンはLei Junをカリスマとして崇拝しています。
Xiaomiの成功は、数々の中国メーカーによる競争激化の要因ともなりました。
Huawei、Oppo、Vivoが台頭し、Xiaomiのスマホ市場におけるプレゼンスは少し目立たなくなっていることは間違いありません。
しかし、ネットワーク企業として、スマートフォン事業だけではなく、未来を見据えた商品作りをしていることは、
スマホ以外の製品ラインアップを見れば納得と言ったところでしょう。
Xiaomiスマホ以外のラインアップは、すぐに訪れる未来がターゲット
2013年、Xiaomiの副社長に、GoogleでAndroidの製品管理をしていたヒューゴ・バラ氏が就任しました。かねてからGoogleと関係の強かった会社ではありますが、スマートフォン以外のラインアップを見ると、何かGoogle的な要素が見えてきます。
Mi Robot Builder
Mi robot Builderの心臓となるのが、自らバランスをとる能力を備えているプロセッサーとオペレーティングシステムです。
Mi Robot Builderは、スマートフォンからダイレクトで操作することが可能なほか、スマートフォン上でプログラミングして動かすこともできます。
Mi Robot Builderは、大人のためのスペシャルなおもちゃであることは間違いないでしょう。
Mi LED Desk Lamp
Mi LED Desk Lampはシンプルなデスクランプです。これといった特徴は無いようにも見えますが、なかなかの優れものです。
プリセットされた4つのライティングモードはありますが、自分でカスタマイズすることも可能。
光の色や温度を自分好みにすることができます。また、構造がシンプルなので、耐久性にも優れています。
環境に優しい製品というのは、Xiaomiのテーマとも言えるでしょう。
Mi Sphere Camera Kit
360°の視界を持ち、その視界に入る瞬間のすべてを捉える能力を持つカメラのキットです。
この超パノラマ広角レンズと反射プリズムの組み合わせにより、3.5KというウルトラHDで360°の大パノラマムービーの撮影を可能にしました。
Xiaomiのスマートフォンでシンプルにファイルを操作することも可能です。
Mi Drone
Xiaomiはドローンも作っています。
専用コントローラーを使用して、誰でもかんたんにドローンを飛ばすことができます。
4K 1080Pという高画質ビデオ。Full HDの広角レンズを備え、空撮に適したスペックを持っています。
飛行中のリアルタイム画像送信にも対応しています。搭載のカメラは揺れや振動に強い設計。
プログラミングすることにより、ひとつの目標物の周囲をフライトするよう設定することも可能。継続飛行時間27分。
GPSによるポジショニングと飛行禁止空域が近づいた際の対処など、様々なハイテクがそうびされています。
未来を見据えた「Just for Fans」
Xiaomiはリーズナブルで高性能なスマートフォンを世に送り出してきたメーカーで、もちろん現在もハイスペックなスマートフォンを製造しています。しかし、Xiaomi自体はスマートフォンメーカーというだけでは無く、近い将来をしっかりと見据えた、
「電気製品+インテリジェンス」のような製品作りを行っています。そのベースにあるのは
Just for Fans
ファンのために一生懸命になることで、すばらしい商品を届けることができる。
一時は中国スマートフォン市場でトップの座に君臨したメーカーですが、そんなアイデンティティーがあるからこそ、
また魅力のあるモデルを世に送り出してくるに違いありません。中国ではシェアを落としたといっても、まだiPhoneより売れているのです。
日本のスマホ市場に刺激を与えてくれる日は来るのか
現在、中国のスマートフォン市場はHuaweiを筆頭に厳しいコンペティションが繰り広げられています。世界最大の人口を持つマーケットをバックに、スマートフォンの世界市場でもサムスンやアップルを追い落とす勢いを見せる中国メーカー。
彼らの多くは既に「安かろう、悪かろう」ではありません。
多くのメーカーが中国国内だけではなく、海外にもR&D拠点を設け、積極的に製品開発、技術開発を行っています。
閉鎖的で、停滞しがちな日本のスマートフォン市場に、Xiaomiのような面白さを持ったメーカーが刺激を与えてくれる日は来るのでしょうか?
スマート家電やロボット、ドローン市場への参入など、人によってはこの動きを「迷走」と捉えるかもしれません。
ただ、Xiaomiの姿勢は創業時から一貫しています。
ファンが望むものを作り続けることがXiaomiの使命であり、この姿勢を貫くことにXiaomiたる意味があるのではないでしょうか。
Xiaomiは熱心な「信奉者」とも呼べるような多くのファンを持っています。
これは他のどの中国メーカーにも見当たらない、Xiaomiの強力なアドバンテージでしょう。
熱心な「信奉者」を持つブランドとして、誰もが頭に思い浮かべるのはAppleでしょう。
Appleを模倣することからスタートした会社は大きな成功を収めましたが「中国のアップル」「中国のスティーブ・ジョブズ」などという、呼ばれ方もしました。
このような呼ばれ方は、当時は皮肉交じりに聞こえていたはずです。
しかし現在のXiaomiは、実はいい意味で「中国のアップル」なのかもしれません。Xiaomiには、その資質が備わっています。